寝室設置の3Dプリンタを夜中でも動かせるように静音化に挑戦+α。
これまでケーブルガイドをつけたり、手持ちのRaspberry PiからOctoPrintで使えるようにしたりしてきたものの、本格的な改造は初めて。どうせ分解するなら一気にやってしまいたいと思ったが予算の都合もあり今回はファンとレベリングのバネ交換に留めることに。
プリンタ: Ender 3 V2
改造内容
- 電源ファンとメインボードファンの交換
- 印刷中にうるさいと思っている底面にあるファンを大型化することで、冷却効果を保ったまま回転数を下げて静音にする。
- ベッドレベリングのバネとノブ交換 ⇒ 投稿へ
- 静音化とは別だが、ベッドレベリングのバネが一か所すでに調整代がなくなりそうなところもありそろそろ調整の限界なので、S1にも使われていそうな強化バネに変更
- エクストルーダ交換 ⇒ 投稿へ
- 静音化すべくカバーなどの必要な部品を作っていると、どうも品質が悪い(隠れる部品なので見た目は悪いまま使用)&長時間プリントでは途中でフィラメントがなくなったような状態になった。エクストルーダのギア部分を掃除したり、バネ部分のねじを少し締めてみたりしていると、エクストルーダのアームが折れていた...
購入品
- ファン PSU用
- Ainex, CFZ-8015SA (80mm x 80mm x 15mm)
- 薄型静音
- 2000 RPM
- 25.26 CFM
- 20.4 dB(A)
- https://www.ainex.jp/products/cfz-8015sa/
- ファン Mainboard用
- Ainex, CFY-80S (80mm x 80mm x 25mm)
- お手頃な静音タイプ
- 1200 RPM
- 14.61 CFM
- 11.9 dB(A)
- https://www.ainex.jp/products/cfy-80s/
- ファン ホットエンド冷却用
- Ainex, CFZ-4010SA (40mm x 40mm x 10mm)
- 薄型超静音タイプ
- 4000 RPM
- 4.81 CFM
- 12.3 dB(A)
- https://www.ainex.jp/products/cfz-4010sa/
- DC-DC降圧コンバータ
- LM2596(VKLSVAN)
- Mainboardの標準ファンはDC24V駆動のため、DC12Vへ降圧。プリントヘッド側のファン交換時にも使えるので5個入を購入
- https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08FLYB4Y4
- レベリングナットとスプリング
- 押出機 アルミニウム ニュースタイル改良
必要な工具など
- 六角レンチセット(Ender 3 V2に最初から入ってきたやつ)
- +ドライバ
- ピンセット(手先が不器用なので、どんな作業でも重宝します)
- M3ボルト・ワッシャ・ナット(Mainboardカバーをつける際に、もともとのねじが使えない部分が多々あり)
- 半田ごて・はんだ
- 本当は万力など固定できる治具があると便利ですが、マスキングテープで仮固定しながら作業
- シュリンクチューブ
- ヒートガン
- 今回購入。これで他の電子工作でも便利に…
- テスタ(Buckコンバータの電圧調整に)
作業
※あまり写真を撮っていなかったので、記録としてはわかりにくい。作業手順自体は参考にしたサイトなどを参照
- PSUファン&カバー交換
- ひとまず使用するファンとカバーを選ぶ必要があるが、オリジナルファンの冷却性能を維持or向上しつつ騒音が下がればよいというのが要求事項なため、選択肢が色々ありすぎ。。
- カバーのプリントに(エクストルーダが原因だったが)手間取っていたため、長時間稼働を避ける意味で2分割でプリントできるカバーを選定
- このカバーに合う、80mm x 15mmの適度なファンということで、お手頃&静音なOmega Typhoonを選択
- Model: Ender 3 V2 PSU Coverby Defeator2013(Thingiverse)
- Fan: Ainex Omega Typhoon(CFZ-8015SA)
- 参考にしたサイトを見てもらえれば、オリジナルファンのスペックと使用したファンのスペックを比較してくれたりしてます。
- あからさまにプリント失敗しているものの、アロンアルフアで強引に補強して使用。2分割されている間の部分は本来は接着する必要がありそうだが、取り付けてみると0.5mmぐらい隙間になってしまったので、一応接着剤を流し込んだもののくっついているかは疑問。ファン側部品はねじ2本の片持ち状態で取りついているので少し心配はあるものの、壊れたら作ればよいということでそのまま使用。
- DC12VからそのままDC12Vファンへの接続のため、元のファンからコネクタまでの配線部分を切り取ってつなぐだけ。
- Mainboard & ホットエンド冷却ファン交換
- こちらも選択肢は色々あったが、Buckコンバータが2個以上載る(Mainboard用とホットエンド冷却用)のと、80mmファンを取り付けられる条件で検索
- Model: Ender 3 V2 Motherboard 80*25mm + Buckconverters by muraisama (Thingiverse)
- DC-DCコンバータを3個乗せれるようになっている便利なモデル。ただし、コンバータの穴にちょっと位置が合っていなかったので、立ち上げっている棒がほとんど折れた。
- Fan: Ainex (CFY-80S)
- 配線
- Mainboardから出ているDC24V配線をDC-DCコンバータのIN側へ接続。DC-DCコンバータのOUT側へ新たなファンを接続。購入したファンは比較的長い配線がついているが、作業性を考えて適宜配線を延長。(下手くそなはんだ付けの良い練習となりました)
- Mainboard冷却ファンはコネクタになっているからわかりやすいが、ホットエンド冷却ファン用は束ねられているところから引っ張り出す必要あり。
- あまり配線の束をほどきたくないので、必要なケーブルを少し延長して作業。
- DC-DCコンバータ調整
- Amazonで5個入\800のモノを使用。
- OUTの電圧は基板上の青い箱のPOTを回して調整。安定化電源を持っていたりすると良かったが、DC24VをEnder 3 V2のMainboardファン出力から出力させるには、Menu > Control > Temperature > Fan Speedを「255」に設定する必要があった。これまで触ったことがなかったので少々手間取る。
- Ender 3 V2起動直後は、MainboardのFan Speedが「0」設定となるため出力されず。電圧を測ると1Vと表示され、当然DC-DCコンバータのOUT側はほぼ0V
静音化はこれほどまでに期待通りとは、もっと早くやっとけばよかった…
以前は大げさに言えばドライヤーをかけてる並みの騒音だったのが、今は隣で普通にアマゾンプライム鑑賞可能なレベル。以前は聞こえにくかったステッピングモータの動作音が耳につき始める(ファンのぶぉ~んから、モータのピロピロ音へ)。
今後やりたいこと…
- オートレベリング(CR Touchを導入⇒ 2022年12月実施)
- デュアルZ軸化(ダイレクトエクストルーダ化には必須? ⇒ 2022年12月実施)
- ダイレクトエクストルーダ
- TPUフィラメントでやわらかめのモノを作る
- プリントヘッドカバー(Briss Fangが流行ってるっぽいが、何が良いのか要調査)
- ファームウェア(品質向上・プリント時間短縮につながるなら試してみたい)
- OctoPrintまわり(ひとまずはポートフォワードして外出先からも監視)
参考にしたサイトなど
- 「今、私の興味ある事。」
- ”「Ender3 V2改造」本格静音化MOD メインボード・PSU・ホットエンド・造形物冷却用4つの騒音ファンを静音ファンに交換”
- https://kurashi-note.com/post-8312/
- 「ぶらり@web走り書き!」
- "【Ender3 V2静音化対策その①】電源(PSU)用ファン&メインボード冷却用ファンを交換してみました!効果は非常に大きいのでオススメです!"
- https://burariweb.info/gadget/3d-printer/ender3v2-quiet-measures.html
- Youtube 「RM3D Creations」
- "Creality Ender 3 v2 fan upgrades. It's so Quiet now Amazing. This is how I did my 3D fan upgrades"
- https://youtu.be/ird74jGCH6k
- Youtube「Randomecticly」
- "ENDER 3 V2 SILENT FAN MOD | Step-By-Step Guide"
- https://youtu.be/MQC6NVd42q0